世界はプラスチック汚染の危機に直面しています。1950年以降、増加し続けるプラスチックの生産量は年間8億トンに達し、その半分以上が埋立地に送られ、わずか10%ほどしかリサイクルされていません。プラスチックは土壌や地下水に有害な化学物質を漏出させ、動植物の生息地に深刻な被害をもたらしています。
海洋生態系への影響が懸念されるマイクロプラスチックが、初めて雲にも存在することが発見されました。研究団体は、富士山の山頂と麓、横浜の西に位置する山頂から採取した水からマイクロプラスチックが含まれると発表しています。つまり、マイクロプラスチックが気候に影響を与え、人体に有害である可能性が高いことを調査されています。
マイクロプラスチックは、直径5mm以下の小さなプラスチック片のことを指します。プラスチックのゴミは風や雨によって川や海に流され、海岸に漂着し、風化や紫外線によって分解されますが、自然分解しないため、海域に長期間滞留して蓄積されます。これが海洋生態系に深刻な影響を与えています。
実際、マイクロプラスチックは大きく二つのグループに分けられます。まず、劣化によって生じるものではなく、意図的に作られた微細なプラスチックです。これは下水処理濾過でもすり抜けてしまうほど小さく、化粧品、洗顔、歯磨き粉などに含まれています。次に、プラスチックが紫外線や外的要因で劣化して崩壊し、大きさが5mm未満になったものです。これはペットボトル、ストロー、調味料の容器、発泡スチロール、お弁当などに使われる容器、釣り糸、ロープなどに含まれています。
これらの極小のプラスチック片は、飲料水から野菜や果物、加工された食品に至るまで、あらゆるものに見つかっています。世界中でプラスチック廃棄物が増加する中、未解決の重要な問題が残っています。それが人間の健康にどのような害を及ぼすかです。最近の研究では、これらの汚染物質が心臓病や肺障害、より懸念される健康問題と関連していることが示されています。しかし残念ながら、マイクロプラスチックは今や非常に普及しており、ほとんど回避することが不可能です。
2021年5月のネイチャーのニュース記事によると、プラスチック廃棄物が急増する中、人間の健康への脅威がエスカレートするかもしれないと書かれています。プラスチックの製造と破壊は、気候変動に寄与する微粒子やガスを生産し、環境で分解されたプラスチックは温室効果ガスを放出します。研究によると、マイクロプラスチックは海洋微生物の二酸化炭素を吸収し、酸素を生産する世界的に重要な役割を妨害するとされています。私たちの健康と地球の健康をさらに危険にさらすということです。
今の私たちができることは何でしょうか?プラスチックのゴミの排出量を減らすためにも、プラスチックのドリンクボトルを長期リサイクル可能なガラスやステンレスに置き換えることとや、また、過剰なプラスチックに包装された食品をできるだけ買わない、シリコンの調理器具やプラスチックのまな板などの代替品を検討することも大切です。もちろん、キャンプやピクニックなどで出たゴミは持ち帰り環境を守ること。便利な生活が起こす未解決の健康問題が少なかった時代に戻るために、今、私たちがすぐできる解決策から模索する時が来たように思います。
photo by Naja Bertolt Jensen
Refference;
https://magazine.hms.harvard.edu/articles/microplastics-everywherehttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10151227/
https://plasticovershoot.earth/report-2024/
https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2022/79985/sustainable?gad_source=1&gclid=Cj0KCQjw2uiwBhCXARIsACMvIU2NYaPp39aE3yO8BP577b6SSWBXNL9Xy_8FF6e17EEbYN6Y1RMZYQ0aApb_EALw_wcB