今回のオーストラリア旅のテーマは、
あえて予定を立てないこと。
出発前日まで、仕事や行事でぎゅうぎゅう詰めの日々。
父と暮らす家では仕事をこなす時間も多く、
生活リズムを合わせることがときどき息苦しかった。
余裕のない心は、人への期待や不満も大きくしてしまう。
外での仕事を増やして家にいる時間を減らしても、
別の意味で時間に追われ、さらに気持ちは焦るばかり。
だから今回のホリディは、私にとってまさに救いのタイミングだった。
このままでは心も体も壊れてしまいそうだったから。
出発3週間前にエアーチケットを購入。
決めたのは、3週間を過ごす街と宿だけ。
到着後すぐ、必要な法的手続きのためにQLD州へ。
空港から直行で何カ所も回ったが、書類不足で時間切れ。
翌朝から再び銀行や役所を巡り、ようやく申請をやり直した。
これが終われば、あとは結果を待つだけ。
今回の滞在については、限られた友人にしか伝えていなかった。
それでも、ソーシャルメディアで私の帰国を知った友人たちが
「帰国してるのね、お茶しよう?」と声をかけてくれる。
わざわざこちらの都合に合わせて会いに来てくれて、近況を語り合えば、あっという間に1時間が過ぎていく。
「僕たちに会わずに帰る気?」と駅まで迎えに来てくれ、
ランチをご馳走してくれ、ありがたくも次の宿泊場所まで送ってくれた友人たちもいる。
気持ちに余裕がある日は、
「今帰国してるんだけど、ビールでもどう?」と声をかけると、
当時のバイク仲間が全員集まってくれた。
こんなのがいい。
分刻みのスケジュールに追われるより、
その日突然やってくるサプライズの時間の方がずっと楽しい。
その日の体調や気分で予定を決める。
できなかった予定にストレスを感じることもない。
今日は晴れているから午前中はビーチへ行こう。
チーズたっぷりのビーフバーガーが食べたい。
夜はバジルたっぷりのパスタに白ワイン。
お気に入りのピノ・ノワールにチーズ とサンドライトマト。
やっぱり山からの景色も見たいな。
昨日見つけた広告のマーケット、明日行ってみよう。
そんな「気分」が、その日のスケジュールをつくってくれる。
そして、その気分が、新しい発見を運んでくれる。
そんなホリディの過ごし方も、悪くない。