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夜の Kurkku Fields

夜の Kurkku Fields

Tiny House にチェックインして、クルックのショップで買ったビールを開ける。
プシュッという音が、静かな部屋に心地よく響いた。
気づけば外は虫の声に包まれている。もう午後6時。
日が傾き、一気にあたりが暗くなったのは、周囲に高い建物がないからだと気づく。




この夜は、予約していたBBQにスタッフの方々が同席してくれることになった。
ひとりよりも大勢の方が、やっぱり楽しい。
そして、私が抱えていたたくさんの質問にも丁寧に耳を傾けてくれた。
遠慮のいらない、楽しくも深い時間が夜遅くまで続いた。

同じ日に宿泊していた東北から来た女性とも自然に言葉を交わす。
ここでのBBQは、施設内で採れた旬の野菜、当日の朝に焼かれたブレッド、手づくりのソーセージや肉料理、 そしてすべてのソースやドレッシングが手づくり。
その彩り豊かなテーブルを囲みながら、初めて会ったとは思えないほど和やかな笑い声が広がっていった。


大地の恵みとお天道様の光をたっぷり浴びて育った「食」には、確かなエネルギーが宿っている。
作り手と出会い、学び、体験し、そして味わう。
生産者の姿が見えるからこそ、安心して口にでき、心からの感謝が生まれるのだと思う。

やがて周囲は、虫たちのオーケストラと夜空に浮かぶ月だけの世界になった。
そして、この夜にはもうひとつの楽しみが待っていた。

 

 

地中図書館

それは「地中図書館」。
完全予約制で、夜は宿泊者だけに開放される特別な空間。
本好きにはたまらない場所だ。

懐中電灯で足もとを照らしながら、静かな夜道を進む。
真っ暗な森の中から、ふと現れる一筋の光。
思わず息をのむ美しさ。

「地中図書館」はその名の通り、地中にひっそりと佇む図書館
映画『ロード・オブ・ザ・リング』に登場するホビットたちの家を思わせる、幻想的な空間だ。

ドアを開けた瞬間、ふわりと漂う本の香りと、かすかに湿った土の匂い。
奥へ進むと、巨大なドーム状の本棚が目の前に広がる。
思わず「Wow」と声が漏れた。

本を読むというよりも、空間そのものを味わう時間。
今日出会った人々の笑顔、学んだこと、体験したこと、感じたことを静かに思い返す。
自然の中で生きることの素晴らしさ、想像することの喜び、人が生きるための環境と循環。
音のない世界で、ふと時計を見ると、すでに深夜12時を過ぎていた。

 

シャワーを浴びたあと、ベンチに腰を下ろし、耳を澄ませる。
虫の声、風のさざめき、木の香り。
濡れた芝や湿った土の匂いが、ふとオーストラリアでの暮らしを思い出させてくれた。

Tiny House の窓から空を見上げ、ベッドに身を沈める。
明日はハーブ園のツアー。そろそろ休もう。


Tiny HouseエリアにあるCenter House。ソファーに深く腰掛けて流れる音楽に身を任せる時間もいい。



地中図書館

https://www.nakam.info/jp/works/library-in-the-earth/

設計:NAP建築設計事務所・中村拓志氏。
私が体験した、月明かりに包まれる夜の静寂と、自然光が差し込む昼の光景。
どちらもぜひ、自分の五感で味わってほしい。

美しい建物の内部の様子はこちらもぜひご覧いただきたい。
Discover Japan
https://discoverjapan-web.com/article/108763