「オーストラリアと聞いたら、何を思い浮かべますか?」
英語を教えるクラスで子どもたちに尋ねると、返ってくる答えはコアラやカンガルー。
この国は今も、多くの野生動物と共に生きています。
ビーチではイルカやクジラ、スティングレイや海亀、内海にはペリカン。
郊外へ出れば、夕方のゴルフ場にカンガルーやウサギが現れます。
森に近い住宅地では、繁殖期にコアラが鳴き、庭を横切る姿も。
さらに北のノーザンクイーンズランドへ行けば、クロコダイルの生息地。
そこではビーチで泳ぐことはできず、ゴルフ場や湖でも姿を見かけることがあります。
野生との距離感を常に意識する土地です。
ポッサム、ブルータング、リザード、ヘビ、クモ、コウモリ、そして毎日出会える数えきれない鳥たち。
時には、ビーチ近くの公園で羽を広げる野生の孔雀にも出会えます。
シドニーに住んでいた頃、息子が通っていた森のテニスコートには、自然に戻ったエミューが2羽。
柵の向こうを悠々と歩く姿に、何度も息を呑みました。
今回の滞在先からも、車で数分のところに国立の自然保護区があります。
そこにはワラビーやコアラが暮らし、夕方になると姿を見せます。
広大な土地を散歩したり、自転車で走ったりしながら、野生と同じ時間を過ごせる場所です。
私たちのブランドロゴに描かれている鳥は、Latham’s Snipe(オオジシギ)。
日本とオーストラリアの間、7,000kmをわずか5日で飛び抜ける渡り鳥です。
日本の北で繁殖し、南半球の夏はオーストラリア東海岸で休息を取ります。
絶滅危惧種に指定され、両国でその生息地が脅かされています。
台風や嵐を超えて大洋を渡るその姿は、小さくも勇敢。
そして、空を切る美しさに心惹かれます。
Ivycoastがこの鳥をロゴに選んだのは、二つの国をつなぎ、自然と共に生きる象徴だからです。

自然な姿で野生動物と触れ合えるこの国の暮らしには、
自然を守るための知識や意識、そして雄大な土地で生きるための知恵があります。
そんな空間に身を置くと、自分の小ささと、力のなさを静かに思い知らされます。
次は、バードウォッチングを楽しんでみたい。
Reference: https://theconversation.com/this-birds-stamina-is-remarkable-it-flies-non-stop-for-5-days-from-japan-to-australia-but-now-its-habitat-is-under-threat-165964
Image: https://global.canon/ja/environment/bird-branch/photo-gallery/ojishig