IVYCOASTとHapy•age Farmのつながり
せっけん作りを通じてご縁をいただき、今や私たちIVYCOASTのせっけんに欠かせない存在となったHapy•age Farmさん。2024年2月から、カモミールの収穫までの4ヶ月間を密着撮影させていただきました。
変化を受け入れる力
2020年に始まったコロナ禍。多くの人々がこれまでの生活の変化を余儀なくされました。変化は決して容易なものではありませんが、その中でチャンスを活かし、次なる大きな一歩を踏み出した方々も少なくなかったのではないでしょうか。
Hapy•age Farmの政照さんとしのぶさんもそのひとり。
新たな挑戦の始まり
長年アパレル業界で働き続けたしのぶさんは、20年以上のキャリアに区切りをつけ、愛知県安城市への移住を決意。家族とともに静かな新生活をスタートさせるはずでした。しかし、新居を購入した直後にご主人の 政照さんが失業。コロナを理由にこれまで築いてきた経験と情熱が、あっけなく奪われてしまったのです。
困惑する 政照さんの姿に、しのぶさんも戸惑いました。それでも新しい環境の中で何ができるのかを模索し、コミュニティの力を借りながら始めたのが小さな家庭菜園でした。
安城で芽吹く可能性
「日本のデンマーク」と呼ばれる安城市。稲作、畑作、果樹、畜産など、多角的な農業を進めたこの地は、大正時代末期から昭和初期に世界の農業先進国デンマークにたとえられるほどでした。
その土地で始めた小さな菜園。 政照さんは地元住民や農家の力を借りつつ、研究熱心に畑を拡大していきました。同時に、多くの疑問が頭を巡ります。
農薬は本当に必要なの?
種はどこから来ているの?
効率的かつ持続可能な農業とは?
そんな中で出会ったのが「コンパニオンプランツ」という考え方でした。
コンパニオンプランツとハーブへの魅了
コンパニオンプランツとは、一緒に植えることで害虫を防ぎ、成長を助け合う植物の組み合わせのこと。自然に優しい方法で農業を行いたいという思いから、 政照さんはこれを活用し、野菜と共にハーブを育て始めました。
カレンデュラ、ローズマリー、セージなどのハーブを育てるうちに、その魅力に引き込まれ、次第に畑はハーブでいっぱいになっていきました。
Hapy-age Farmの誕生
こうして畑の広さは一反(約300坪)にまで拡大。限られた農作道具で手作業に近い形で作業を続けながらも、ハーブの魅力を信じ、育てる情熱を絶やさずに進んできました。そして生まれたのが、Hapy•age Farm。自然の力で育った健康なハーブを届ける生産者としての新たな挑戦です。
現在では約50種類のハーブと植物を育てています。安城の気候に合った固定種にこだわり、季節に合わせて種から育てています。F1種(雑種第一代)は使わず、あくまで自然の循環を尊重した方法を採用しています。
” 限りなく自然に育てる。
必要以上に手を加えない。
自ら使うものは、自らの手で育てたもので作る。"
------- Hapy•age farm
豊かな暮らしを伝える活動
政照さんとしのぶさんは、各地域で行われるマルシェやワークショップを通して、「無駄なものを使わず、自然の力を信じる」暮らし方を伝えています。
私たちのカモミールせっけんも、彼らの情熱と自然の恵みに支えられて誕生しました。その絆と力強い協力に、心から感謝しています。
参考
固定種は、固定化した形質が親から子に、代々引き継がれる品種です。 自然淘汰や、優良な母本(採種用の株)の選抜を繰り返す人為的な淘汰によって、一定の形質が保たれています。 一方、F1種は英語の「Filial 1 hybrid」のことであり、日本語では「雑種第一代」「一代雑種」と呼ばれています。
F1種は、グレゴール・ヨハン・メンデル(Gregor Johann Mendel)が発見した「優性の法則」を利用した技術で、対立する形質を持つ親を交配すると、子にはどちらか一方の形質だけが現れるという法則に基づいています。
F1種は、スーパーなどでよく見られる野菜のほとんどを占めています。農家は種苗会社から毎年種を購入して野菜を育てます。
F1種の特徴は次のとおりです。
・形や大きさ、食味、収量、病害への耐性など
・まいた種から同じ特性の花や野菜が育ち、安定した収穫量や均一な品質を保つ
・雑種強勢(ヘテロシス)という現象を利用しており、生育が旺盛で栽培が安定する
Hapy •age
Instagram
https://www.instagram.com/hapyagefarm/?hl=en
参考文献
https://www.nig.ac.jp/museum/history03.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%91%E7%A8%AE%E7%AC%AC%E4%B8%80%E4%BB%A3